分科会について(9/1(日))

午前(9:30-12:30)


第1分科会:大学図書館史 「大学図書館問題研究会の歴史を見るpart3」
  大学図書館問題研究会は1970 年の結成,2020 年には50 年を迎えます。今回の大学図書館
史分科会は前々回および前回に続き,会報(『大学図書館問題研究会会報』『大学の図書館』)
の記事を中心に大図研50 年の歴史を振り返り,大図研全体の活動や支部・地域グループの活動,
当時の大学図書館の動きを見ていきたいと考えています。
担当:
加藤 晃一(東北大学附属図書館)
吉田 弥生(大阪大学附属図書館)


第2分科会:利用者支援 「スマホ・SNS 時代における著作権のあり方」
  スマホ時代に入り、大学図書館内でもスマホを使う学生が増えてきました。図書館資料を気
軽にスマホで写真を撮る学生もいます。しかしながら、これに関して著作権的に問題がない行
為であるのか、はたまた問題がある行為なのか、見解が分かれています。
  これまでの著作権法のあり方では「資料の1/2 以下をコピーできる」という見解がありまし
た。コピーではなくスマホでの写真撮影を行う場合、どのような解釈が必要なのでしょうか。
  スマホを含めた情報機器の発展により、著作権のあり方は大きな変化を余儀なくされています。
しかしながら、著作権については前例を元に大学図書館ごとに対応している状況が見受けられま
す。今の時代だからこそ、様々な問題を踏まえたうえでの指針が必要となるといえるでしょう。
  本分科会では、スマホ時代における著作権のあり方について講演を行った後、参加者と議論
し、検討していければと思います。
担当:
川端 幸枝(酪農学園大学附属図書館)
楫 幸子(安田女子大学図書館)


第3分科会:資料保存 「デジタルアーカイブと大学図書館」
  今回の「資料保存」分科会では、デジタルアーカイブをテーマに取り上げ、大学図書館がど
のようにデジタルアーカイブに取り組んでいけばいいのか、現状と課題を理解する機会にした
いと思います。
  昨今、世界的にデジタルアーカイブに対する関心が高まり、大規模なアーカイブ事業が進み
つつありますが、日本国内でもジャパンサーチの公開をはじめ、各機関でのアーカイブ事業推
進の動きが見られます。デジタルアーカイブ構築に関しては、各機関の連携や、アーカイブの
継続性、データの共有と二次利用など非常に多岐にわたるトピックが考えられます。
  本分科会では、参考事例の紹介を中心に、参加者間でのディスカッションの時間も設ける予
定です。これらを通じて、具体的な取り組みに活かせる情報共有を進めて行ければと考えてお
ります。   皆様のご参加をお待ちしております。
担当:
牛島 千穂(非公開希望)
西脇 亜由子(明治大学図書館)


第4分科会:出版・流通 「オープンアクセスに関する討論会」
   本分科会では、オープンアクセスをテーマに、参加者同士で意見交換や討論を行います。
   オープンアクセスについて関心があれば、職種・担当業務にかかわらず、どなたでも歓迎です。
ご自身の理解を深めつつ、各大学での課題や取り組むべき点をそれぞれで考える契機とすることを、
本分科会の目的とします。
   近年、より広義のオープンサイエンスに関する議論が盛んですが、ここでは学術論文を対象とした
オープンアクセスに論点を絞ります。オープンアクセスの現状や課題を確認し、私たちがどのような役割を
果たせるのか、全員で考えたいと思います。積極的な姿勢で参加くださる方を歓迎します。

   討論にあたり、以下の3点の論点を設けます。「指定文献」として掲載したものを、極力ご覧になってご参加ください。

■論点1. 「OA2020ロードマップ」
今年3月にJUSTICEから、「OA2020ロードマップ」と呼ばれる資料が公開されました。
「OA出版モデル実現までの移行期を乗り越える道筋を明らかにする」ことを目的とした
本資料を読み解きながら、大学図書館が果たすべき役割について、討論を行います。

(指定文献) 『購読モデルからOA出版モデルへの転換をめざして ~JUSTICEのOA2020ロードマップ~』
大学図書館コンソーシアム連合, 2019.
https://www.nii.ac.jp/content/justice/overview/JUSTICE_OA2020roadmap-JP.pdf

■論点2. OAポリシーの策定
「学術情報のオープン化の推進について(審議まとめ)」には、「大学等に期待される取組」として
「オープンアクセスに係る方針を定め公表する」ことが明記されています。OAポリシーの意義を再確認
するとともに、これからOAポリシーを策定する大学にあってはどのような点を考慮すべきなのか、討論を行います。

(指定文献)天野絵里子「京都大学オープンアクセス方針の目指すもの」
『表面科学』37(6) , 2016, p.268-272.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsssj/37/6/37_268/_article/-char/ja/

■論点3. ハゲタカジャーナル
研究者の業績評価の競争が進む中、そこにつけ込むように論文投稿料(APC)を搾取する
「ハゲタカジャーナル」が問題になっています。大学図書館でこの問題にどのように
向き合うべきか、討論を行います。

(指定文献) 佐藤翔 「日本の医学博士論文に潜む7.5%のハゲタカOA」
『情報の科学と技術』 68(10), 2018, p.511-512.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/68/10/68_511/_article/-char/ja/

担当:
井上 昌彦(関西学院大学図書館)
北川 正路(東京慈恵会医科大学学術情報センター)



午後(14:00-17:00)


第5分科会:図書館経営 「働き方改革と大学図書館」
  世間では「働き方改革」で労働基準法、労働安全衛生法、労働時間等設定改善法の改正等が
行われ、この4 月1 日から施行されています。
 大学の中でも、いろいろ労働環境に関る動きが見え隠れしていますが、現場では何が変わる
のか、何に影響があるのか、良くなるのか悪くなるのか分からない状態だと思います。
 特に私たち大学図書館で働くものとしては、女性も多く、多様な雇用形態で、アルバイトや
業務委託などもあり複雑で、一般的に報道される内容だけではよく分からない状況だと思いま>
す。
 今回、「大学教職員のための権利ハンドブック」(ISBN:9784780309676、2018 年6 月刊行)
をベースに、私たちの働き方と権利について学びたいと思います。

担当:
安東 正玄(立命館大学)
和知 剛(郡山女子大学短期大学部・郡山女子大学図書館)


第6分科会:キャリア形成 「キャリア形成の一評価 ~外部資金(奨励研究費)獲得」
  昨年に引き続きキャリア形成では、図書館員各人の学びについて分科会を行いたいと思いま
す。今年のテーマは、図書館員でも獲得できる科学研究費の中の奨励研究に焦点をあて、それ
まで培ってきたキャリアを学内のみに限らず外部的な評価を得る一つの手段として、紹介します。
  また、分科会ではこれまで奨励研究を獲得した図書館員にキャリア形成及び他部署等との関
わりなど総合的な見地から、これから奨励研究に挑む図書館員に向けて、攻略方法を発信して
もらいたいと思います。
  この奨励研究の紹介については、「大学の図書館」の3 月号に掲載された、特集「科研費の
いろいろ」でも述べられていますが、実際の苦労話やこれまでの学び方や情報発信の場など、
目に見えない諸々の話をこの分科会で伺いたいと思います。
  また、日々科学研究費申請の教員のサポートとして、文献調査や申請書などあらゆる情報を
入手し、提供する業務を抱えているかと思います。また、昨今の倫理の問題等も含め図書館員
として必要な知識を再認識したいと考えます。
  現在、様々な岐路に立たされている図書館員の今後の方向性及び今後のキャリア形成の一つ
として科学研究費を含む外部資金を獲得するための日々の研鑽方法の参考になればと思いま
す。
担当:
鈴木 正紀(文教大学図書館)
加藤 晃一(東北大学附属図書館)
矢崎 美香(九州女子大学)


第7分科会:図書館建築・デザイン 「自館の建築にふさわしいマナーサインを考える」
  今回は、参加者の所属先や関連する図書館の建築に合ったマナーサインについてのワーク
ショップを試みてみたいと思います。参加者同士で持ち寄ったものをもとにセッションを行い、
相互のコメント等を通じて、より良いサインを生み出すヒントや見直しのきっかけをつかむ場
となれば幸いです。
  参加希望の方は、当日セッション用として下記のものをご持参ください。

・ 自館(所属先)の図書館外観および内装、実際にサインが掲示されている様子の写真(画像
  データ、利用案内、パンフレット等)
・ マナーサインの掲示物(実物)……大きいサイズのものはA3 程度に縮小

 皆様の積極的な参加をお待ちしております。
担当:
中島 慶子(豊橋創造大学附属図書館)
山口 友里子(一橋大学)


第8分科会:学術情報基盤 「CAT2020 がやってくる」
  遠い先の話と思っていた2020 年ももう来年、ついにCAT2020 がその姿を現します。この
分科会では、一足先に公開されるNACSIS-CAT の新しいセルフラーニング教材に触れながら、
以下の点について参加者のみなさんと意見交換をしたいと思っています。
● CAT2020 では私たち目録担当者にとって、また目録の利用者にとって、何が変わって何が
  変わらないのか
● 私たち目録担当者が準備しなければならないことは何なのか
● CAT2020 が目指したものとは何か、そしてそれは私たち目録担当者が目指しているものと
  どのように関わってくるのか
参考資料:
2020 年以降の目録所在情報システム(CAT2020)
https://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/about/infocat/cat2020/index.html
これからの学術情報システム構築検討委員会 ドキュメント
https://www.nii.ac.jp/content/korekara/archive/
担当:
田辺 浩介(物質・材料研究機構)
野間口 真裕(京都教育大学)
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