分科会について(9/10(日))

午前(9:30-12:30)


第1分科会:大学図書館史 「大学図書館問題研究会の歴史を見る」
大図研こと大学図書館問題研究会は1970年の結成,2020年には50年を迎えます。
今回の大学図書館史分科会は,一足先に大図研50年の歴史を見ながら,大図研全体の活動や
支部・地域グループの活動を振り返るとともに,当時の大学図書館の動きを見ていきたいと考えています。
各地域からの飛び込みレポート,大学図書館全般の歴史に関心のある方からのトークも大感激です。
ご参加お待ちしております。
担当:
加藤 晃一(東北大学)
和知 剛(郡山女子大学)


第2分科会:利用者支援 「専門分野に対する支援方法」
利用者支援の形は、各大学で種々多様だと思います。
そこで例年開催しているような趣向ではなく、今年度は専門分野に特化した支援について
見識を広げるべくして開催しようと考えています。
特に医学、看護学、薬学、栄養学等、国家試験対策を抱えている大学においては、
利用者支援といっても一概に図書館が思うようにリードできない状況が多いからです。
また、利用者に対応する司書においても、それぞれの専門分野に精通する必要があるかと思います。
日々研鑽する中で、どんな知識や技術を修得しておけば利用者である学生に支援ができるか、
様々な事例を交えて参加者一同で考えてみたいと思います。
担当:
矢崎 美香(九州女子大学)
井上 昌彦(関西学院大学図書館)


第3分科会:学術基盤整備 「メタデータの動向と図書館員にできること」
ウェブサービスの進展に伴い、これまで図書館で取り扱ってきた従来の目録技術だけでなく、
メタデータ管理について図書館員に期待されることが多くなってきました。
昨年11月に勉誠出版より出版された「メタデータとウェブサービス」を参考に
近年のメタデータの動向とこれから図書館員がメタデータ管理についてどのように関わっていけるか
参加者同士で意見交換していきたいと考えています。皆様のご参加をお待ちしております。

(参考文献)
本分科会参加者は、事前準備として以下の図書を読んで来てください。
日本図書館情報学会研究委員会編『メタデータとウェブサービス』(勉誠出版,2016)
担当:
長坂 和茂(京都大学附属図書館)
野間口 真裕(京都大学北部機構内事務部)


第4分科会:出版・流通 「出版・流通をめぐる最近の動向と大学図書館の対応」
デスクトップ・パブリッシング(DTP)やインターネット利用の普及により、
従来の印刷・出版、取次、書店の流れによらない出版物が増加しており、
大学図書館には新しい出版・流通への対応にせまられている。
図書については、在庫を持たず小口の出版も可能なオンデマンド出版による郷土史、
自分史などの個人出版物やプリント版を伴わず電子版のみで発行される電子書籍の数が増加しているが、
個人出版物を大学図書館でどのように網羅すべきか、書庫に並べることのできない
電子書籍をどのように利用者が使いやすいように提供するのかを考えることが課題となっている。
また雑誌については、オープンアクセス出版の増加が最近の動きとして挙げられるが、
オープンアクセスにより研究成果へのアクセス性が高まる一方で、論文処理費用(APC)の
搾取を目的としたプレダトリー・ジャーナル(悪徳雑誌)も生じており、
研究者とともに対応を確認する必要性が生じている。
以上は数例であるが、出版・流通に関する新しい問題に頭を悩ませている大学図書館もあることと思う。
今回の分科会では、出版・流通をめぐる最近の動向の事例を参加者に紹介してもらい、
それらに対する大学図書館の対応について意見交換することを考えている。
出版流通の最近の動きに関して、「こんなことで困っている」、
「こんなことで情報交換したい」ということがありましたら、ぜひ本分科会への参加をお願いいたします。
担当:
井ノ口 雄久
北川 正路(東京慈恵会医科大学)


第5分科会:資料保存 「資料の修復・保存とデジタル化による公開」
今年の資料保存分科会では、古都京都にふさわしく、貴重資料の修復と保存、
公開について大学における事例を見ながら学びます。
講師は京都の老舗の経師大入さんにお願いします。
次に、長年図書館員による資料の修復に取り組んで来られた京都大学資料保存ワークショップの
活動について堤さんにご講演いただきます。
なお大会3日目午後、大入さんに伺い、修復現場の見学をさせていただきます。
また、大会2日目に堤さんのご講演に関連する自主企画があります。
これらにもご参加いただくことで分科会の内容についてより一層理解が進むと考えます。

①淑徳大学コレクションデジタル化と公開について
報告:小笠原玲子(淑徳大学)
http://www.shukutoku.ac.jp/shisetsu/takuhon/

②貴重資料の修復と保存、公開について
講師:経師 株式会社大入
修復だけでなく、複製の作成やデジタル化による資料の公開についてお話しいただきます。
http://www.ooiri-co.com/

③京都大学資料保存ワークショップの活動と修理キットの開発について
 京都大学資料保存ワークショップの運営について
講師:堤美智子氏(花園大学)
   永田千晃氏(京都大学)
ワークショップの活動の様子を報告していただき、併せて自主企画で展示される予定の
修理キットの開発についてご説明いただきます。
https://letterpresslabo.com/2016/12/15/kulpcws-column-make-a-repair/
担当:
森石 みどり(大阪大学)
小笠原 玲子(淑徳大学)



午後(14:00-17:00)


第6分科会:図書館経営 「いま、図書館の管理職について考える」
今回、当分科会は「管理職」にスポットをあてます。
だからといって、管理職だけが出席できるというわけではありません。非管理職の方もぜひどうぞ。
管理職、特に課長、部長クラスとなると、図書館のいわゆる「実務」から離れ、
図書館全体の運営(経営といってもいいですが)を司ることになります。
また、大学から、図書館以外の業務を任されることも少なくないというのが実情です。
そうした状況の中、現代の管理職にはどのような働き方が求められているのか、
また部下とよばれる非管理職は、管理職に何を求めるのか。
そうしたことを議論し、図書館の人的組織が少しでも活性化するよう、
参加者が「お土産」を持って帰ることができるような分科会にしたいと思っています。
前半では、分科会担当者から「リーダーシップ」に関する、簡単なレポートを行います。
後半では、あらかじめ実施させていただくアンケートを参照しつつ、
「管理職」について議論する時間にしたいと考えています。
担当:
鈴木 正紀(文教大学)
渡邊 さよ(広島経済大学)


第7分科会:学生協働 「学生と考えるwin-winの学生協働」
学生協働は、利用者でもある学生が図書館の運営の一端を担う活動で、
学生にも図書館にも相互に利益を享受するwin-winの関係を築き上げることにより、
学生の図書館利用の活性化に繋がっています。
今回の分科会は、学生協働の学修支援で先進的な活動を行っている、
京都大学、立命館大学のそれぞれの図書館職員・学生スタッフをお招きし、
図書館(ラーニングコモンズ等)と学生アシスタントによる学生協働の役割について事例発表をして頂きます。
事例発表の内容を基にディスカッションを実施し、参加者の皆様の所属先における
学生協働の取り組み等を交えながら、情報交換の場を持ちたいと思います。
学生協働に携わっている方、関心のある方、大学生の方も大歓迎です。
皆様のご参加をお待ちしています。
担当:
川端 幸枝(酪農学園大学附属図書館)
呑海 沙織(筑波大学図書館情報メディア系)


第8分科会:電子書籍 「電子書籍の導入と利用を考える」
保存スペースの限界や利便性などから、電子書籍に対する関心は大学図書館でも
近年ますます高くなっていると思われます。
とはいえ、電子ジャーナルのプラットフォームを利用し数多くのタイトルがある洋書に比べ、
和書の電子書籍はタイトル数自体が少なく選択肢が限られている状況です。
そんな中、大学図書館による電子学術書共同利用実験や大手書店による試読サービス開始などを
経て電子書籍の導入は確実に拡がりつつあると言えるでしょう。
これから電子書籍の導入をどうしようか、すでに導入しているが利用が少ない、
それぞれの機関で様々な状況に置かれていると思います。
本分科会では、1~2の導入事例を紹介していただいた上で、
参加者の皆さんが現在電子書籍に関して課題としていることを挙げていきながら、
今後の電子書籍の導入や利用促進に向けてよりよい方策を考え、
情報交換と共有の場としたいと考えています。
担当:
西脇 亜由子(明治大学)
大田原 章雄(東京藝術大学)


第9分科会:リカレント教育 「学びを深める:図書館員の学習事情」
今年は「学びを深める:図書館員の学習事情」をテーマとして、研修・研鑚活動を取り上げます。
日々の業務の一環として受ける研修もあれば、自己研鑚として業務時間外に
取り組む場合もあるでしょう。
その中で、どの研修を受けるべきか、どの方向を目指して進み、学習していけばよいのか、
情報や機会が多いだけに戸惑うことも多いのではないでしょうか。
今年の分科会では、図書館員の学びの事例報告のほか、
学習機会にどのようなものがあるか整理してみたいと思います。
事例報告は①一橋大学社会科学古典資料センターで実施している西洋古典資料保存に
関する実務研修について、②社会人大学院についてを予定しています。
担当:
江沢 美保(一橋大学)
山口 友里子(一橋大学)


第10分科会:図書館建築・デザイン 「利用者との活動を通して図書館を考える」
今回は、大学図書館の改修・新築に際し、最多ユーザでもある学生や教員との活動を通して、
よりよい図書館づくりをめざす試みについて取り上げたいと思います。
参加者の皆さんと、いくつかの事例報告をもとに、これからの大学図書館にとって必要な建築
およびデザインとはどういうものなのか、一緒に考える機会となれば幸いです。
担当:
中島 慶子(豊橋創造大学)
山下 泰史(一橋大学)